Update:09/04/29 Text&photo:Kentaro Kawamura Tytle:I walk a snowy valley at early spring. 晴れ時々曇りのち雨か雪、、、 北海道の春の天気はこんなふうである。 この日、朝5時の気温こそ0度と冷え込んだが、雲ひとつ無い快晴無風。 イトウ観察のため約束の時間に合わせ機材を車に積み込み、 待ち合わせ場所のパーキングに30分前に到着し淹れてきた熱いコーヒーと共にパンを齧る。 少しして同行する氏が到着しあいさつを交わすと我々はすぐに目的地を目指し出発しました。 川のせせらぎを耳にしながらウェーダーを履き、防水バッグにカメラを入れると、 逸る気持ちを抑えつつ、会話を交わしながら目的のエリアへ歩いて向かった。 川沿いにはフキノトウが点々と顔を出し、あるものは水中でもその生命力を表していました。 一つ目の観察場所である沢には思いのほか雪が残っていた。 冬期に降雪が多かったのと、ここ数日の低温で雪解けが鈍っていたせいで 川の水量は乏しく、大型の個体が遡上するには少々厳しいかと思われた。 しかし、その思いは一瞬にして振り払われたのでした。 周囲の自然な色彩からは想像し得ないような〝色〟が目に入った。 偏光グラス越しに見えるその魚体は、流れの中でじっとしていました。 その赤く染まる魚体は確かにイトウであり、自分からの距離は約5m。 目測で60cmほどの大きさで、この支流ではこの個体のみの確認でした。 別の支流に入り遡行する。 先ほどの流れとは少々スケールが大きく水源までの距離が長い。 1時間ほど歩き上った渕の流れ込みに一瞬鮮烈な赤い〝雄姿〟が目に入った。 すぐさまファインダーを覗きフォーカスする。 雄姿はその渕を何度も悠々とクルーズしていました。 勇ましく、大きく、堂々としたその姿はシャッターを押すのも忘れさせるほどだった。 なにを言うまでもない。 保護などという格好のいいきれいごとはいらない。 人間は身勝手だが、彼らは素直に生きている。 当然のことを当然のようにしなくてはならない。 この雄姿を一目見ただけで、人間がなにをすべきかが言葉なくしてわかるような気がします。 春の風物詩のひとつ、エゾエンゴサクが咲き始めました。 水芭蕉はこれからが最盛期のようです。 桜はあとひと月後と予想発表されていました。 |